第4回 tomoni プロジェクト展
第4回tomoniプロジェクト展では、障がいのある方にご協力いただき、
オーガニックコットンを活かした
誰にでも優しいプロダクトなどを制作、展示を行いました。
開催によせて
2016年から開始したtomoni和綿プロジェクト。3年目の今年は、今まで育て、収穫した有機和綿の持つさまざまな可能性を「Diversity〜多様性」の観点から見つめ、伝えることを主眼に於きました。
3年を経て、ここ、岐阜の地で安定した和綿の収穫がやっと見込めるようになった中、和綿プロジェクトの目的の1つである2020年のパラリンピックに提供出来る「和綿のモノづくり」への具体提案を行いたいとの考えで、さまざまなタイプの障がいのある方々の意見や声に耳を傾け、その中から有機和綿や和綿生地の持つ個性を活かした具体的な活用手法をアート視点も加えて企画しました。
今回は特に、若い世代の自由な発想にも期待し、人と人、人とモノ、との関係性を見直すべく、新たな展開も生まれつつあります。
企画を進める中で、暮らしの不自由さを感じている方々の意見は、健常者と言われている人々にとっても充分役立つものであることや、目の不自由な方が和綿と触れ合ったときに発せられる言葉や、笑顔、アイデアなどからは、人がつい忘れがちな「気持ちが良い感触」の大切さも実感しました。
願わくばこの展示を通し、便利になった現在の日常生活の中では忘れがちな「人間もまた自然の一部であり、自然の力に活かされている小さな存在であること」にも想いを馳せていただければ幸いです。
第4回tomoniプロジェクト展~見つけよう 伝えよう~和綿の可能性
企画ディレクター 古田菜穂子
肌触りから紡がれる言葉から和綿の新たな魅力を探ります
■協力/岐阜盲学校児童生徒ら
1.感想聞き取り
視覚に障がいのある岐阜盲学校の皆様に、触った感想の聞き取りを行いました。 収穫した和綿から布になるまでの和綿の変化を肌触りや時には匂いから感じた言葉を聞くことができ、「こんな物があったらいいな」というアイデアも生まれました。
(左上)種つきの綿 (中央上)綿繰り後の綿 (右上)綿打ち後の綿
(左下)紡いだ糸 (右下)機織りした布
障がいのある方の声をもとに
アートやデザインをプラスした和綿の新製品を提案します
■プロダクトデザイン制作/宇津木哲子(テキスタイル作家、デザイナー)
制作/井上美穂((株)マインド松井)
協力/曽我部弘樹 髙橋由衣
1.要望・感想聞き取り
障がいのあるお二人に、困りごとや要望などを、デザイナーである宇津木さんが聞き取りを行い、和綿の良さをプロダクト製作に活かすヒントを得ました。
2.デザイン
聞き取り調査を元に、宇津木デザイナーがデザインを起こしました。
3.プロダクト製作
和綿の生地や草木染めの糸を使って、カバンや洋服、クッションなど製作しました。
障がいのある方から要望の高いスタイを中心に
学生がデザイン制作した製品を提案します
■プロダクトデザイン制作/学校法人平野学園
1.「スタイ」のデザインなど
機能とデザイン性を併せもつ、大人用のスタイなどのデザインを学生21名で考案しました。また、スタイのアイデアを考案する中からテーブルウェアなどにも発展しました。
2.布の草木染め
ブルーベリーとタマネギなどで草木染めを行い、媒染も豆乳を使用するなど有機和綿の特性保持にこだわりました。
3.プロダクト製作
様々な用途に合わせたスタイを使い勝手を考えながら何度も作り直し、スタイ、エプロンなど合計約20点のプロダクトが完成しました。
プロジェクト展メンバー
■プロダクトデザイン・製作
学校法人平野学園 (川畑怜奈 栗山小百合 多和田玲亜 服部朱里 安田瑞姫
伊藤美奈 小寺起那 下村和香奈 安藤舞 石原明奈 大島詩穂 浅井優衣
有里萌美 伊藤佑衣 玉田亜海 長岡優奈 伊藤樹里 清水萌愛 服部華恋
岩井日向子 大橋望愛 久保田百合子 早崎薫 江崎梨花 馬場康子 平野宏司)
宇津木哲子
■記録映像製作
山川直人 東京工芸大学
■協力
岐阜県立岐阜盲学校(小学部児童、高等部普通科生徒、教諭)
曽我部弘樹 髙橋由衣
(株)マインド松井/井上美穂
社会福祉法人いぶき福祉会
tomoniつながる和綿プロジェクトチーム 他
■グラフィックデザイン
小寺克彦
■プロデュース&アートディレクション
古田菜穂子 土屋明之
■総合プロデュース
小島紀夫
このプロジェクト展では、
制作された各種プロダクトを通じ、
障がいのある方や施設などでの新たな才能や
仕事の発掘も目指しています。
彼らの素晴らしい感性や手仕事に、ご興味、
ご関心のある方は以下までお問い合わせください。
私たちは、これからも障がいのあるなしに関わらず、
それぞれの可能性を活かした、
こだわりのものづくりを進めていきます。
(公財)岐阜県教育文化財団 プラザ事業課
TEL:(058)233-5377(平日9~17時)
FAX:(058)233-5811
E-mail:gecf@g-kyoubun.or.jp
ギャラリー展示の様子