第5回 tomoni プロジェクト展
開催によせて
tomoniつながる和綿プロジェクトをスタートさせて4年が過ぎました。
今年は、これまで実施してきたさまざまな取り組みをさらに活かし、来年度開催される、パラリンピックに提供する「和綿のモノづくり」の具体提案を「未来への実り(ミノリ)」として行いたいと考えました。
私たちはプロジェクトを通じ、障がいも個性のひとつであり、障がいのあるなしに関わらず「tomoni/ともにつくる、伝える、かなえる」を実現する「本物のものづくり」を目指しています。
同時に、和綿という日本古来からの種を守り、それを有機農法で育て、糸にし、布にし、製品にする中で、自然の力をお借りしながら「手仕事」から「道具」が生まれ、やがて「機械化」していった人間の知恵と努力の見直しや、効率を求めるが故に「失ったもの」などについても再度、見つめ直してみたいと考えています。
この岐阜の地で「tomoniつながる和綿プロジェクト」で多くのみなさんの協力のもとで紡がれた和綿は、すべての命の源である「土壌/terroir」の大切さを伝えてくれると同時に、未来の社会に向けての「SDGs/持続可能な発展の実現」に向けたオーガニック・ムーブメントの現れのひとつでもあります。
今後、ますますダイバーシティ化していく世界の中で、和綿の未来が、障がいのあるなしや、人種の違いなどを超えて、すべての命が、かけがえのないものであり、過去も未来も今につながる「未来への実り(ミノリ)」となることを願っています。
第5回tomoniつながる和綿プロジェクト展 ~創り出そう、未来への実り~
企画ディレクター
古田菜穂子
土屋 明之
和綿プロダクト制作 No.1
■プロダクト
美濃和紙のミニドレス|柿染めスーツ|肩掛けポーチ|小物入れ
大きなファスナーのポーチ|自分で入れるポーチ|携帯ケース|ミサンガ
レッグウォーマー|ネックウォーマー|靴下|あったか帽子
ランチョンマットになる巾着袋|お守りリストバンド|コースター
■デザイン・制作
ヴィジョンネクスト情報デザイン専門学校、清凌高等学校学生ら
(学校法人 平野学園)http://hirano.ac.jp/
■テーマ 「和綿と清流OrganicStyle」
<制作風景>
今回、初めて「和綿を育てる」ということに挑戦させていただきました。毎日手にしている綿がどんな植物なのか、綿花はどのように採れるのか等、多くの生徒は知らず、
種植え、収穫、種取り・・・どれも感動と驚きの中での初めての体験でした。
今回の和綿と清流オーガニック、大切な物を包むをテーマに一人ひとりが想像し、想いを語りながら制作しました。
平野学園 馬場康子
和綿プロダクト制作 No.2
■プロダクト
タオル | タオルケット | ネックウォーマー
レッグウォーマー | バスケットボールクッション
スティックバルーンカバー | ヘアバンド
■デザイン・制作 宇津木哲子(テキスタイル作家、デザイナー)
https://work-u-design.jimdo.com/
■制作
[ 縫製 ] 井上美穂(株)マインド松井) https://www.mind-matsui.com/
[ 刺繍 ] 荒井博子(エンジェルハウス)
■協力
池戸義隆
秋田啓
<制作風景>
車いすバスケットボールの池戸選手、秋田選手からの聞き取りにより、競技に直接必要なグッズを和綿で制作するのは機能性を重視すると難しく、違った方向から選手をサポートする応援グッズとリラックスグッズを制作してみました。
work u design 宇津木哲子
和綿プロダクト制作 No.3
■プロダクト
マスク
■デザイン
愛葉紗弓((株)エスト)
エストクチュール https://www.est-926.com/
■制作
[縫製等] 加藤 愛|飯塚 美穂 ((株)エスト)
[ 刺繍 ] 小川祐香|片山藍(かみなり村本舗) https://www.volavola.org/honpo.html
荒井博子(エンジェルハウス)
[アクセサリー/コサージュ] 川島孝子(サンフレンドみわ・障がい者センター)
<制作風景>
素敵な刺繍を最大限活かし、和綿のホッとあたたかみの感じられる素材感と、コサージュでピアスのような装飾の遊び心あるデザインで、見て着けて楽しくなるような和綿マスクを作りたいと考えました。
(株)エスト 愛葉紗弓
和綿プロダクト制作 No.4
■プロダクト ミサンガ
■デザイン 守屋里美
■制作 [ 陶器 ] 戸田鉄人(渋草焼 七代柳造)
■協力 FINALITÉ
和綿プロダクト制作 No.5
■プロダクト アイピロー
■デザイン 守屋里美
■制作 [ 縫製 ] 井上美穂((株)マインド松井)
■協力 FINALITÉ
和綿に触れた時、豊かで優しく心が満たされた気持ちになります。 種から育て、製品につなげる tomoni プロジェクトの活動をお聞きして、デザイナーの視点から「tomoni yorisou」をキーワードに、「暮らしに・からだに・心によりそう」 和綿製品の提案をさせて頂きました。 作る人の気持ちを使う人に届けられるよう、人によりそうモノ作りを展開していきます。
守屋里美
全てのモノ・コト・ヒトがそれぞれの能力を持ち寄り、同一線上で重なり合うことで生まれるオリジン。 この螺旋こそが今後100年の価値になると思います。 この度は本当に素敵な企画にお声掛け頂き、心から感謝申し上げます。
渋草焼七代柳造 戸田鉄人
和綿プロダクト制作 No.6
■プロダクト
アポピキャップ
■デザイン・制作
大野美里(TeamApop 代表)
<制作風景>
アポピキャップは一枚のタオルを切らずに作れる簡単な作りのケア帽子です。使用する布の数だけ違った表情を見せてくれます。今回は、和綿生地を使い、がんと闘う皆さんのストレスが、少しでも軽くなり笑顔になってもらえることを願い作りました。
TeamApop 大野美里
和綿プロダクト制作 No.7
■プロダクト
リース
■デザイン・制作
市村美佳子(緑の居場所デザイン 主宰) http://www.midorinoibasho.jp/
和綿のリース・つながる
「丸い形にしよう」
プロジェクトのテーマを聞いたときに、すぐにそう思った。
春に種を蒔き、厳しい夏を乗り越え、ようやく実った和綿たち。
秋の植物は、それぞれの人生を反映して、ひとつひとつ違う、実に個性的な佇まいだ。
そんな唯一無二の存在が集まって、繋がり、ともに支え合う社会を築いていきたいという思いを込めて。
上も下もない丸い形が相応しいと思った。
緑の居場所デザイン 市村美佳子
プロジェクト展メンバー
■プロダクトデザイン・制作
学校法人平野学園
伊藤美奈 | 小寺起那 | 下村和香奈 | 安藤舞 | 石原明奈 | 浅井優衣 | 有里萌美 | 伊藤佑衣
玉田亜海 | 長岡優奈 | 伊藤樹里 | 清水萌愛 | 服部華恋 | 岩井日向子 | 大橋望愛 | 川合希美
刈谷萌 | 金武万結 | 桐山響生 | 久保田百合子 | 馬場康子 | 川畑伶奈 | 平野宏司
宇津木哲子|市村美佳子 |大野美里
■デザイン
守屋里美 | 愛葉紗弓
■制作
井上美穂 | 戸田鉄人 | 加藤愛 | 飯塚美穂 | 荒井博子 | 小川祐香 | 片山藍
浅井辰哉 | 今尾芹菜| 川島孝子
■協力
池戸義隆 | 秋田啓 | FINALITÉ
tomoniつながる和綿プロジェクトチーム 他
■グラフィックデザイン
小寺克彦
■プロデュース&アートディレクション
古田菜穂子 土屋明之
■総合プロデュース
小島紀夫
人と人、人とモノ、モノとコトがつながる物語
「ともに、つくる、つたえる、かなえる」をコンセプトとして、文化芸術の分野において
障がいのあるなしに関わらず、ともに新たな創造活動を行っているtomoniプロジェクト。
このプロジェクト展では、制作された各種プロダクトを通じ、障がいのある方や施設などでの新たな
才能や仕事の発掘も目指しています。彼らの素晴らしい感性や手仕事に、ご興味、ご関心のある方は
以下までお問い合わせください。私たちは、これからも障がいのある、なしに関わらず、それぞれの
可能性を活かした、こだわりのものづくりを進めていきます。
(公財)岐阜県教育文化財団 プラザ事業課
【TEL】(058)233-5377(平日9~17時) 【FAX】(058)233-5811
【E-mail】 gecf@g-kyoubun.or.jp
ギャラリー展示の様子